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ジェネレーションギャップが組織の多様性を阻害する?!【前編】

ジェネレーションギャップが組織の多様性を阻害する?!【前編】

著作者:katemangostar/出典:Freepik

時代は少子高齢化、労働人口は減少の一途をたどり、多くの企業では雇用延長などの施策をとっています。これにより、以前に比べ多様な年齢層の従業員が同じ職場で働くという場面も増えています。多様な年齢層の従業員同士の間にはいつの時代もジェネレーションギャップが起きやすく、組織内でさまざまな問題を引き起こす一因となっています。本コラムでは、ジェネレーションギャップが問題となる具体的な場面と、その解決策としての相互理解の重要性について考察します。

なぜジェネレーションギャップが起こるのか?

ジェネレーションギャップが起きる理由はさまざまですが、主な要因には次のようなことが挙げられます。

■時代や社会の変化
経済の状況や政治的な出来事、技術の進化など、社会の変化が価値観や行動に反映されます。これらが、ジェネレーションギャップを引き起こす一因となります。
例えば、X世代と言われる高度経済成長期~平成の大不況前に生まれた世代と、それ以降に生まれた世代では「物欲」や「金銭欲」では大きな違いを生みます。また、インターネットが発達する前と現在では「情報」に対する価値観も変わってきます。

■教育の違い
教育は時代背景により変化を続けています。教育には大きく「学校教育」「家庭教育」「社会教育」がありますが、本コラムでは「学校教育」を例に挙げて具体的な変化を見てみましょう。
義務教育は、約10年に1度のペースで学習指導要領が改定されます。1960年代は戦後学校教育の中でも最も授業時間が多く、「詰め込み教育」とも呼ばれ、授業についていけない生徒や激化する受験戦争などが社会問題化しました。それまでの教育の歴史を踏まえ、2000年代前半では、生きる力を育む教育を重視する方針が取られ、授業時間数も大幅に削減されました。例えば、円周率は3.14から3でも良しとなりましたが、その一方で学力低下が危惧されたことで、私塾へ通う児童・生徒が増えました。この結果、経済力による教育格差が加速されたとも言われています。
教育は、人々の考え方や価値観を形成する重要な要素であり、これらの違いがジェネレーションギャップを生み出す要因の一つとなります。


■コミュニケーションツールの変化
ITの進化により、コミュニケーション手段が大きく変化しました。インターネットやソーシャルメディアの普及により、世代ごとに異なるコミュニケーションスタイルを持つことがあり、これが相互理解の障壁となることがあります。
例えば、1990年代前半以前は携帯電話(PHS)などが広く一般には広がっておらず、連絡を取りたければ「家の固定電話」へ連絡をするか、駅の掲示板に伝言を残すかなど、必ずしも一対一で連絡が取れるわけではありませんでした。今ではスマートフォンで、時間を気にすることもなく話したい相手にいつでも直接連絡をすることができます。また、チャット・スタンプ・既読機能活用など、コミュニケーションが以前より簡素化されています。

働く上でどのような問題を引き起こすのだろうか?

■働き方に対する考え方の違い
「24時間戦えますか」というキャッチフレーズのCMを覚えている方もいるでしょう。X世代はこのキャッチフレーズを反映するかのような「長時間労働」を当然のことと考える傾向があります。一方、Y世代やZ世代はワークライフバランスを重視し、効率的で柔軟な働き方や休息の時間を求める傾向があります。この違いから、労働時間や休暇制度に関する意見の食い違いが生じ、ストレスとなることがあります。


■コミュニケーションの違い
Z世代はインターネットなどIT機器を駆使した迅速なコミュニケーションを好む一方、X世代は対面や電話を通じた伝統的なコミュニケーションを重視する傾向があります。この違いから、情報共有や意思決定プロセスにおいて混乱が生じることがあります。
また、コミュニケーションが簡素化されたことで、正しい日本語に意識を向ける機会が減ったことが、認識の不一致やミスコミュニケーションの原因にもなっています。

自分の「当たり前」は他の人の「当たり前」ではない!

人は自覚なく「自分が正しい」「自分の常識が常識」だと思い込む傾向があります。
これはアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見・思い込み)が働いているからです。アンコンシャス・バイアスは過去の経験や見聞きしたことに影響され、誰もが自然に持つものです。世代間だけではなく、生まれ育った場所・性別等によっても環境は大きく変わります。つまり、自分の常識は必ずしも他の人の常識ではないということを認識したうえで相互理解に努めることが、ジェネレーションギャップが引き起こす問題を解決する糸口になります。

前編では、ジェネレーションギャップが生まれる背景と組織に及ぼす影響についてお伝えしてきました。大きな時代の波をとらえて「ジェネレーション」=「世代」と言われていますが、VUCA(先行きが不透明で取り巻く環境が刻々と変わる)時代の現代にとっては、各々の強みを活かした柔軟な組織が求められるのではないでしょうか。
後編では、既に問題が起きてしまっている場合の解決方法について考察していきます。

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