
株式会社エルティヴィー新入社員の武藤です!
エルティヴィーでは、2024年11月26日(火)〜28日(木)の3日間にわたり、研修の体験会・セミナーを開催!
「未来を築く」をテーマに、1日3講座・3日間で全9講座を開催し、営業現場の課題解決のヒントをお伝えいたしました。
今回、社員研修の一環としてこのセミナーに参加させていただきました。その中でも特に学びが深まり、印象に残った講座をこれまで3回に分けてご紹介してきましたが、今回が第4回、最終レポートです!
開催概要
四つ目に紹介するのは、28日(木)の3講座目に講演された【募集人が語る「他社に負けないソリシター力」】という体験会。
ソリシターを育成・指導する立場にある方を対象に開催しました。
※ソリシターとは、保険会社の職種の一つで、保険代理店に自社商品を販売してもらうために営業推進をする人のこと。代理店営業の担当者。
登壇したのは、株式会社ホロスプランニング京都オフィス所属の藤本 真之氏です。
藤本氏はファイナンシャルプランニングや保険募集、不動産売買の相談など実務経験を数多く経験し、より活動内容やフィールドを広げるためにホロスプランニングに転身。
現在は、企業コンサルティングや研修講師も務めながら、以前の3分の1の活動時間でMDRT基準を達成するという高い生産性で営業活動を継続しています。
前提:口に出されない「募集人のホンネ」を知る

こちらの画像は、保険代理店に勤める募集人(53社218名)に、「関係性が良くない営業担当者はどのような営業担当者?」というアンケートを実施した結果です。この結果から募集人はソリシターに対して初歩的マナーやコミュニケーション力が不足していることに不満を抱いていることがわかります。
藤本氏によれば初歩的なマナーができていないために、ソリシターの話を聞く気になれないことがあるとのこと。例えば募集人に声をかけるとき「今少しお時間よろしいですか?」の一言があるかないかでも相当印象は変わります。
募集人から信頼を得るきっかけとして基本的な所作が欠かせないと説明されていました。
ソリシターを教育する立場の方は、自社のソリシターが担当する保険代理店の募集人からどのように見られているのかリサーチすることで、より良い指導につながるのではないでしょうか。
今回のメインテーマ
体験会では、これら社会人基礎レベルのマナーが出来ていることを前提として、ソリシターを教育する立場の方向けに、【他社のソリシターと差別化を図る具体的な方法】を【保険代理店の募集人視点】で藤本氏に講演していただきました。
そこで、営業プロセス<事前リサーチ→自己紹介→ヒアリング→提案→クロージング>、それぞれの段階におけるポイントを提示。その上で、キーワードとなるのは「戦略的な営業活動」。特に重要なステップとして①優先度をつけることと②2つの事前リサーチの2点について詳しく説明をしていただきました。
優先度をつけたターゲット設定
戦略的に営業活動を進めるために、まず初めにすべきことは、①優先度をつけて明確なターゲットを設定すること。
ソリシターの営業目的は、「代理店の募集人を通じて自社商品の売上を伸ばすこと」であり、「”優先的に関係を築くべき募集人”」を決めるための優先順位のつけ方をつけていけばよいかです。
そこで紹介していたのが、保険代理店の募集人を”営業実績”と”ソリシターとの関係性(仲の良さ)”に整理するマトリクス。

A・・・営業実績は高いが、自社(保険会社)との関係が浅い
B・・・営業実績が高く、自社との関係が深い
C・・・営業実績が低く、自社との関係も浅い
D・・・営業実績は低いが、自社との関係が深い
限られた時間の中で、A~Dのどの募集人との関係構築に1番時間をかけたら良いのでしょうか。
既に関係性があり、自社の商品を売ってくれる「B」の募集人に時間をかけがちかもしれませんが、藤本氏いわく、「関係性はないが、他社の商品をたくさん売って実績がある『A』の募集人」へのアプローチを優先すべきとのこと。
すでに営業実績がある「A」の募集人であれば、ソリシターとの関係構築次第で、ソリシターの成果を上げやすいため、体験会では「A」の募集人を例にアプローチ方法をお話していただきました。
もちろん、なかには「募集人になりたて」のため営業の実力があっても募集人としての経験がないだけで「C」に属する方もいるかと思います。藤本氏自身、「保険募集人になりたての頃、親身になってくれたソリシターとは今でも親交が深い」と話していました。自社だけでなく他社とも関係性が浅い募集人だからこそ、積極的に関わっていくという戦略が有効な場合もありますので、それぞれのソリシター・保険会社にとってベストなアプローチの優先度を見極めることが重要と言えます。
募集人・ソリシター共に限られた時間での活動となるため、「どういった属性のソリシターへ注力するのか」戦略を明確にしておく必要があることを解説していただきました。
差別化を図る「事前リサーチ」
では、どのように「差別化」を図ればいいのでしょうか?
実際に体験会で藤本氏から受講者の方々に問いかけた質問を載せます。このコラムをご覧の皆さまも一緒に考えてみてください!
質問:高挙績でお忙しく、オフィスにもあまりいなくて話せる機会が少ない募集人。前任のソリシターから引き継いだ情報も少ない。でも、自社の商品を取り扱ってもらいたい!そんな募集人にどのようにコミュニケーションを取っていきますか?また、ソリシターにどのような指導を行っていますか?
いかがでしょうか?
藤本氏がこの質問の答えの一部として紹介したのは、②2つの事前リサーチです。
まず1つ目は関係者へのヒアリング。
ここで押さえておきたいのがクラークの存在。「〇〇さんがどのようなマーケットでどのような商品を販売しているのか、どのような営業活動をしているのか」ヒアリングします。
※クラークとは、保険代理店の事務スタッフのこと。営業アシスタント。
実際に藤本氏が所属オフィスのクラークへ上記のような質問を受けたことがあるか尋ねたところ「過去受けたことはないけれど、もしソリシターから上記のような質問をされたら答えられる範囲で答える」との回答だったとのこと。
そして事前リサーチの2つ目は、募集人を取り巻く環境から類推し、仮説立案するということ。ヒアリング内容や3C分析を応用させ、以下のようなことを類推・仮説立案をします。
・どのようなマーケットなのか?
・どのような競合の商品を扱っているのか?
・募集スタイルや商品選定基準は?
・募集人の将来ビジョンは?
はじめのうちは上司が関わり一緒に戦略を練ること。そうすることで、考え方が身につき、自発的に考えられるようになるでしょう。
「理解してから理解される」
対象の募集人を理解し、相手に沿う内容を提案することで、画一された提案ではなく、個別具体的な提案になり、募集人側からすると「このソリシターは良く調べているな」「分かってくれているな」と感じるため、何かあったら相談してみようという存在になっていくとのことでした。
フィデューシャリーデューティーを推進する保険会社だからこそ、募集人に対しても営業本位ではなく、顧客(募集人)本位で接することが重要ではないでしょうか?との問いを残し、体験会は終了しました。
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藤本氏の研修では事前リサーチだけでなく、自己紹介などの他のプロセスについても詳しく解説されています。
私自身が以前営業職をしていた経験から、つい目の前の案件で手一杯になりがちだからこそ、1年後・2年後の未来を見据えたお客さまとの関係づくり、そのため戦略的にアプローチする、という今回の内容は非常に印象に残りました。
その具体的な手段として、2つの事前リサーチのようにフレームワークがあれば、経験が浅い方もより効率的な営業活動に取り組めると思いました!
ソリシターを教育する立場の方はもちろんのこと、ソリシターの方ご自身にとっても成績を上げ続けるソリシターを目指すうえで学びの多い内容だと感じました。
エルティヴィーにご相談ください!
エルティヴィーでは、ホロスグループの保険募集人が講師を務める「募集人の本音」や「募集人の思考」を盛り込んだ各種研修を、課題に応じカスタマイズしてご提供しています。お困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。