条件反射で有名な「パブロフの犬」の話は、ご存知の方も多いかと思います。エサをやる前に毎回手を叩いて犬を呼び寄せていたら、飼い犬は手を叩かれただけでよだれを垂らすようになるとか。 パブロフの犬に見られる記憶による学習は「古典的条件づけ」と呼ばれるものです。手を叩く音とエサをもらえるという2つのことがセットで記憶される…これは直感的にも納得できますよね。では、この時脳にはどんなことが起きているのでしょう。 「古典的条件づけ」が脳に与える影響や、それを活用した記憶術に付いてご紹介していきます。
脳は「予想外」を強く記憶する
人間も含め、動物の脳は自身にとってプラスな刺激が与えられるとドーパミンと呼ばれる幸福感をもたらす脳内物質を分泌します。「ドーパミンが分泌される=快感を覚える」となりますから、動物は自身にとってプラスとなる行為を繰り返すようにできているのです。 このドーパミンがとりわけ多く分泌されるのは、「予想外の刺激」に直面した時です。例えば、「大して期待していなかった料理がとても美味しかった」「友人から予想外のサプライズプレゼントをもらった」など。人は予想外の刺激がもたらされた時、ギャップに大してより多くドーパミンを分泌するそうです。 野生動物は、周囲の物音や天候などといった兆候と獲物を仕留めた経験を、ドーパミンの助けによって関連付け学習して狩りを効率化していきます。生物にとって利益になることを定着させるドーパミンですが、薬物などによる不自然な分泌は、脳内に多量の幸福物質をもたらすため危険な「古典的条件づけ」をしてしまうこともあります。
記憶に意外性を付与する
脳に快感をもたらし、記憶や学習にも関係するドーパミン。着目したいのは「意外な事実ほどたくさん分泌される」という性質です。
オンライン面談などWEBの活用が増え、実際にお会いしない取引先の方も増えてきた昨今。『あの方のお名前‥‥出てこない。なんとなく顔は思い出せるけど‥‥』ということもあるのではないでしょうか。このような場合にも「予想外」なイメージを活用する古典的条件付けを活用できます。
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