物事はどのように記憶されるのでしょう。「ずっと覚えていたり、さっぽり覚えられなかったりするのはなぜ?」、と疑問に思いますよね。すぐ忘れてしまう記憶、なぜかずっと覚えている記憶…どういうメカニズムでこれらが決まるのかご説明します。
記憶には種類が色々あるって知ってましたか?
ひとまとめに「記憶」といいますが、記憶には種類があります。分け方のひとつは、「長期記憶」と「短期記憶」。言葉の通り、長い期間覚えていられる記憶と、短い間だけ覚える記憶です。 例えば、スーパーマーケットで車を停めた駐車場の番号は、買い物が終わるまでの短期間記憶しておけばOK。翌日まで覚えている人は少ないことでしょう。こういった記憶は短期記憶です。その一方で、何年たっても忘れない、忘れられない記憶もありますよね。記憶の種類は、体が記憶する記憶「体験メモリー」と、情報として記憶する記憶「知識メモリー」にも分けられます。経験で体が覚えていること、例えば自転車の乗り方や、泳ぎ方など一度習得すれば体が覚えこんでいて忘れない事です。 もしくは、身体的インパクトを伴った記憶も同じ種類です。「穴に落ちたら痛かった」「ドライアイスに触ったら冷たかった」など、体や心がびっくりするような記憶を伴う経験は忘れられない「体験メモリー」として脳に書き込まれます。 一方、情報として記憶する「知識メモリー」は、「〇〇国の首都は××」などのように、「覚えなければいけないから」覚えるもの。つまり受験勉強などで覚えた情報などが「知識メモリー」にあたります。
情報選択は「海馬」が司る!
何か覚えなければならないことがあれば、「体験メモリー」に長期的に記憶として入ってくれれば一番良いわけです。それが簡単にできるのであれば、受験勉強も楽々!となるかもしれません。ところがそう思った通りに行かないので、皆さん覚えるために四苦八苦します。では、情報をどこに保存するかはいったい誰が決めているのでしょうか? …もちろん、決めているのはあなた本人です。あなたの大脳の中に「海馬」という細長い組織があるのですが、この「海馬」が記憶にとって非常に大切な役割をしています。記憶しておくか、記憶しないか、長期に記憶するか、しないか、情報を選択しているのが「海馬」なのです。ではどうしたら、「海馬」に、「この情報はずっと記憶しておくべき情報である」と判断させることができるのでしょうか?次回、「覚えていられる記憶を創る方法」お話します!