「暗記って得意ですか?」「はい!」と元気に応える方はかなり少ないのではないでしょうか。「面倒くさい」「出来ればやりたくない」と考えるのがまぁ普通でしょう。 今回は、暗記に対して少なからず苦手意識を持っている多くの方々にとって「間違った暗記法」と「より効果的なやり方」を紹介します。見出しをチェックして、自分がこれだ!と当てはまる項目がないか探して見てください!
BADケース1:目で見て覚える
シンプルかつ最も手間のかからないやり方です。学生時代、小テストの直前に教科書を何度も目でなぞったという人は少なくないでしょう。単純に目で見る暗記は、正直あまり記憶の定着率がよくありません。覚えたい事柄を声に出す・ペンで書くなど「アウトプットを同時に行う」方法が有効な改善策として挙げられます。 北京オリンピックの日本代表競泳チームのアドバイザーで、北村康介選手を金メダルに導いた脳科学専門家の林成之教授は「ものを覚えたいのであれば、文字を追うだけではなく声に出すなどして、意図的に複数の情報を重ねることが重要」と講演で述べています。 暗記をする際は五感を駆使し、最低でも2つ以上の動作を行うことが大切なのです。目で見て、手で書いて、声に出して自分自身の耳で聞くと、記憶の定着率が大幅にアップします。
BADケース2:同じ分野を一度に詰め込む
「◯◯漬けで一気に仕上げる!」そんな勉強法を実践したり、謳い文句を掲げる教材や教室を見たことはありませんか?実はこれ、悪手なんです。理由は人の脳が持つ「飽きっぽさ」にあります。学校などの教育機関では、一日同じ科目だけを受講するスケジュールは存在しません。講師や教室が変わる手間があるにも関わらず、単位ごとに異なる科目を勉強するようにカリキュラムが組まれています。 集中型一点突破のこの間違いは、特に独学で資格試験勉強などで知識を詰め込む際に犯しがちです。必要な語彙をひたすら詰め込もうと、一日中英単語帳と向き合っても芳しい結果にはなりません。 大切なのは脳に「飽き」が来て効率が落ちる前に他の科目に移動できるローテーションを組むこと。科目が分けられないケースでも、例えば英語なら「単語・文法・長文」など違うタスクをこなすように分けて暗記してみるといいでしょう。
BADケース3:復習しない
エビングハウスの忘却曲線をご存知でしょうか?これは心理学者のヘルマン・エビングハウスによって提唱された曲線グラフで、覚えたことを時間経過とともにどれだけ忘れていくかを示しています。初めて聞く記号や言葉の場合、人はたった1時間で覚えたことの56%を忘れ、1日後には74%忘れてしまうと分析しています。 「暗記が苦手」「自分は覚えられない人間だ」…いいえ、もともと覚えられないことが当たり前なのです。1日で8割近く忘れてしまう生き物である以上、そこに対して挫折を感じる必要は一切ありません。 しかし、記憶は繰り返すことによって確実に定着していきます。先程の8割というのはあくまで「初めて聞く記号や言葉の場合」です。 最初に暗記を行った際、24時間以内に10分の復習をすればそれだけで記憶は100%よみがえります。次回の復習は1週間以内に5分行うだけでOK。その次は1ヶ月以内に2~4分復習を行うだけで記憶率が100%になります。その段階までくればそうそう忘れることはないでしょう。 復習の重要性、わかっちゃいるけど…と思っていたより大切なようです。むやみやたらに、何百回も覚え直す必要はありません。一定の時間をおいて、あやふやになった部分を直す作業を定期的に行えば、自然と記憶は盤石になっていきます。 ご紹介した勉強法をまとめておきましょう。 ・暗記時は五感を駆使する(目で見て・手で書き・耳で聞く) ・同じ分野ばかりやらないようにローテーションを組む ・一定の時間をおいて復習をおこなう シンプルですが、この3つをしっかりと抑えて暗記を行えば、記憶の定着率は段違いに上昇します。
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