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なぜ今急増?管理職層に対する教育を見直した方が良い5つの理由

なぜ今急増?管理職層に対する教育を見直した方が良い5つの理由

著作者:jcomp/出典:Freepik

管理職の9割以上はプレイングマネージャー!?

近年、ビジネス環境の変化スピードが加速しており、特に管理職層には新たなスキルや適応力が求められています。
産業能率大学総合研究所が、HR総研と共同で行った「ミドルネジャーの人事実態調査報告書」によれば、実に98%の中間管理職者がプレイングマネージャーであるとのこと。また、2019年に行った「上場企業の部長に関する実態調査」でも、部長の95%以上がプレイングマネージャーであることの調査結果が出ています。
管理職の多くが、自身がプレイヤーとして活動する一方、部下の育成や課・部のマネジメントを行っているのです。このような状況から、多くの管理職が時代の変化に対応するための機会が少なく、特に部下との関係構築や育成に課題を抱えています。
本コラムでは、当社がこれまで様々な顧客から伺ってきた「管理職者を取り巻く課題」をもとに、その背景と懸念される事柄と求められる対応を考察していきます。

管理職を取り巻く5つの課題

1. 急速なビジネス環境の変化

テクノロジーの進化や市場の変動・消費者の価値観の多様化等により、企業は迅速な意思決定と柔軟な対応を求められています。
しかし、多くの管理職は従来の業務スタイルから抜け出せずにいます。トップダウンのマネジメントを行っていると、判断に必要な情報が上がってくるまでのスピードが遅く、気づいた頃には判断のタイミングを逃している、ということもあります。
特に上意下達型で組織が成り立っている場合は、新しい時代に求められる「リーダーシップのあり方」に適応できず、組織全体の変革の遅れや競争力の低下につながっている可能性が高いと言えます。

2.部下とのコミュニケーション不足

管理職の多くは、日々の業務に追われ、部下との対話の時間を十分に確保できていません。特に、大半の管理職がプレイングマネージャーであることから、自分の成果創出も行う必要がありますが、「物があれば売れた」時代とは異なり、ニーズ発掘からビジネスが実になるまで、多くの障壁をクリアする必要があります。そのため、物理的に部下とのコミュニケーション時間を捻出することが難しくなっています。 
また、現在の管理職は一昔前の管理職に比べ業務量が圧倒的に増えています。限られた時間内で多くの業務をこなさなくてはならず、どうしても指示命令型のコミュニケーションが中心になりがちで、部下の意見を引き出す機会自体も少なくなっています。これにより、部下のモチベーションが低下し、職場のエンゲージメントも弱まっていることも想定されます。

3. ジェネレーションギャップの拡大

管理職層の多くは、バブル期やその直後に入社した世代です。一方で、部下はデジタルネイティブ世代が中心となり、価値観や仕事への考え方に大きな違いがあります。管理職は「経験重視」、若手は「目的や意義重視」という傾向があり、この認識のズレが効果的なマネジメントを妨げています。
さらに、部下とのコミュニケーションの時間が確保できないことで、相互理解が進まず、この溝が埋まらないままになっている懸念があります。

4. 指導・育成スキルの不足

現在の管理職世代の多くは、自らが上司から手厚い指導を受けた経験が少なく、OJTで上司の背中を見て覚えた世代が中心で、そもそも「教え方」を知らないケースが多くあります。また、いくら研修でスキルを学んでも、育成の現場で彼らがどのような反応を示すのかが分からず、適切なアプローチを取ることができない場面も多く見受けられます。
そのため、育成が場当たり的になってしまうことがあります。その結果として、部下が成長機会を逃す、先が見えずに退職するなど、企業全体の人材力の低下に繋がっています。

5. 自己研鑽の時間と費用の不足

前述した通り、現在の管理職は、様々な法規・社内ルールへの対応なども行わねばならず非常に多忙であり、自己研鑽の時間を確保することが困難な場合も多くあります。
また、企業側も「若手」に対しては費用も時間も投資をしますが、管理職層に対しては「経験があるから」と、十分な学習支援制度を整えておらず、会社から提供される学びの機会が限られています。
さらに、若手に比べ給与の高い管理職に対して「それなりの給与を支払っている」と、”自己研鑽”を基本としている企業が多くあります。しかし、急激な物価の上昇や若手とは抱える背景の違いなどもあり、自己研鑽に投じることが出来る出費が確保できない人も少なくありません。
結果的に、管理職が最新のリーダーシップや育成手法を学ぶ機会が減り、時代に即したマネジメントができなくなっているケースも多くみられます。

人事部門に求められる施策

これらのように、管理職を取り巻く環境の変化に起因した様々な課題が、管理職研修の見直しを行う大きな理由となっています。
企業全体の成長を促すためには、「前進できる組織」を創り上げることが求められます。では、これらのような様々な問題をクリアしていくためには、人事部門としてどのような施策を行うべきなのでしょうか?新しい時代に求められる「リーダーシップのあり方」とは何なのでしょうか?
次回は各課題に応じた解決策について考えていきます。

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