毎年、明治安田生命社が発表している「理想の上司ランキング」。
2022年度のランキングは、以下のようになっていました。
▼男性編
1位/内村 光良さん(前回1位)
2位/櫻井 翔さん(前回2位)
3位/設楽 統さん(前回4位)
▼女性編
1位/水ト 麻美さん(前回1位)
2位/天海 祐希さん(前回2位)
3位/渡辺 直美さん(前回11位)
[出典]2022年2月1日 明治安田生命「理想の上司」アンケート調査(掲載日:2022年2月1日)
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20220201_01.pdf
ちなみに、2011年は、男性の1位が池上彰さん、女性は天海祐希さん。
池上彰さんは、「適切なアドバイスをしてくれそう」「的確な指示を出してくれそう」、天海祐希さんは、「リーダーシップがありそう」という理由が多かったとのことです。
では、現在は、どうでしょうか?
2022年度のお二人(内村さん・水トさん)は、理由として「親しみやすい」「優しそう」「安心感がある」といった理由で1位を獲得しました。
10年前は周囲を牽引し引っ張っていってくれるリーダーシップが求められていましたが、近年では、寄り添ってくれるフォロワーシップが求められていることが伺えるランキングとなっています。
時代の変化と共に、周囲から求められる「上司像」も変化しているのです。
グーグル社が「心理的安全性が高まると、チームのパフォーマンスが向上する」という社内調査結果を発表しましたね。
「心理的安全性」とは、組織や集団の中で一人ひとりが不安や恐怖を感じずに発言や質問をすることができる環境のことを意味します。
このように、自分らしさをわかってくれる上司、それを発揮できる職場というのが今の時代に求められていると言えます。
心理的安全性が高い状態では、発言のしやすさからコミュニケーションが活発化され、新たなアイデアや学びが得られやすくなります。また、その風通しのよさから人間関係のトラブルが起きづらく、余計なストレスを抱えずに本来の仕事自体に集中することができます。
また、余計なストレスの少ない状態は、心の余裕からクリエイティブな思考・発想が生まれやすく、より良い仕事につながるだけでなく、多くの企業が抱える課題である「離職」も発生しづらくなるでしょう。
気をつけたいのはただ甘い・優しい・慣れあっているのではなく、互いを認め、尊重しあうことによってネガティブな指摘を含め何でも言い合え、共通の目的のために助け合える状態が「心理的安全性が高い」と言える、ということです。
生産性向上が叫ばれる昨今、組織のパフォーマンスを高めて成果を出すマネジメントをするためには、いかに「心理的安全性」の高い環境を作れるかがポイントになりそうです。
冒頭の理想の上司ランキングでも触れましたが、昔と今とでは求められる上司像が変化してきています。心理的安全性の高い職場を作るには、その違いの本質を理解することが必要です。
では、フォロワーシップが求められているからと言って、部下に対して「優しく」するだけでよいのでしょうか?
答えは「ノー」です。
心理的安全性の高いチームへの第一歩
年代や立場の違いから、管理職者と部下・後輩の価値観には、常にギャップが発生していることがほとんどです。心理的安全性の高い職場を作るためには、自分と相手との間にどういったギャップが発生しているのか、そのうえでどう付き合っていくべきなのかを知らなければなりません。
そのためにも、管理職者は、部下の「成果」に関心を持つのではなく、まずは、「部下」本人に対して、一人の「人」として関心を持ち、関係性を構築することが重要です。
そのためには、「トップダウン(指示・命令)型」のマネジメントから、部下に質問を投げかけ、部下の考えや想いなどを引き出す「質問(対話)型」のマネジメントにシフトチェンジする必要があります。
「何を言うか」ではなく「誰が言うか」の影響力が大きい
同じ事をAさん、Bさんの二人から依頼されたとします。Aさんから言われると「はい、分かりました」と笑顔で引き受けるのに、Bさんから言われると内心「なんで私が?」という気持ちになったことはありませんか?
不思議ですよね…
同じお願い事でも、誰から依頼されたかによって受け止め方が変わってしまうのです。
その背景には、相手との関係性の差があります。
管理職として、何か部下に依頼をした際には、笑顔で引き受けてくれたらうれしいですよね。
そんな関係性をつくるためには、質問型のコミュニケーションで部下の意見を聞き、部下が何を重視しているのが相手の価値基準を理解していくことが重要となります。
心理的安全性を土台に
心理的安全性、ひいては生産性を高めるには、「チームの関係性の向上」が不可欠です。
エルティヴィーでは、「脳科学」や「心理学」を根拠に用いた「マネジメント研修」をご提供しています。
質問型コミュニケーションを取り入れるため、プロの交渉人(ネゴシエーター)が関係構築のために活用する「質問スキル」と相手から考えを引き出すフレームワークを習得し、生産性を向上させていきましょう。
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