皆さんの会社では、年間にどれくらいの教育予算を取られていますか?
産業総合研究所によりますと、従業員規模1000人以上の企業では、年間教育予算が2020年は、12,166万円、2021年では、新型コロナウイルス蔓延による中止・延期等からか多少下がったものの11,698万円だそうです。
また、2020年~2022年は、新型コロナウイルス蔓延の影響も受け、「予算は取ったものの実施できなかった」
「対面形式で行う予定だったが、急きょオンライン形式で実施」したという声もよく耳にします。
実際に、エルティヴィーでは、コロナ前までは、対面式の集合研修のみを実施してきていましたが、コロナ以降は、9割近くがオンラインでの実施となっています。
直近では、少しづつ元の対面式での集合研修に戻りつつもあります。
従業員1人あたりに換算すると、年によって変動はあるもののおよそ2万~3万になるとは言え、教育研修には相当の予算が充てられていますよね。
この予算を開催・受講だけで終わらせてしまう・・・つまり現場での定着につながらなければただの「費用」で終わってしまいます。
実際、研修を実施した後のアンケートでは
「とても参考になりました」
「明日から、頑張って取り組んでいきたいです」
「楽しかったです」
こういった感想を目にすることも多いです。講師・企画側としては嬉しいお言葉ですが、このままで受講いただいた方は、本当に現場に戻り取り組み、スキルが定着しているのでしょうか?
そこで、「費用」を着実な「未来への投資」にするためには、どのような方法があるのでしょうか。
研修後のアンケートでよく見る回答(感想)
「とても参考になりました」
「明日から、頑張って取り組んでいきたいです」
「楽しかったです」
などがを多く目にします。
しかし、このままで受講いただいた方は、本当に現場に戻り取り組み、スキルが定着しているのでしょうか?
そもそも定着しない要因
定着しない要因には、2つあると考えています。
①「研修の多くがインプット型になっている」
働き方改革などの背景から、以前より研修にかける時間が減ってきています。
その結果、少ない(短くなった)時間に、様々な内容を詰め込むあまり、仕方なくイ ンプット(詰め込み)型になってしまっているという現状があるか思います。
②「研修後のフォロー体制が本人任せになっている」
研修が終わって現場に戻れば、あとは本人たちに「研修で伝えた内容をしっかりやっ ておきなよ」と丸投げをしているケースと、現場でOJTを行う先輩や上司が研修内 容を理解していない(分からない)ために、教えられないというケースも考えられま す。
また、そもそもOJTを担当されるかたは、ただでさえ忙しいので時間がとれていな いということも考えられるかもしれません。
「投資」に変えるためには、研修時の仕掛けと研修後の計画が重要
▼研修時の仕掛け
そもそも、研修は、現状の課題や問題点に気づき、その後の業務において「行動変容」することで生産性を向上させるために行う事が多いのではないでしょうか?
行動変容につなげるためには、『気づき』が重要と言われています。
『気づき』、つまり「なるほど」「へぇー」といった事ですね。
実は、心理学の世界ではこの『気づき』には2種類あると言われています。
それが、「外発的気づき」と「内発的気づき」です。
『外発的気づき』とは、字の通り「外」からの気づきです。
例えば、研修で講師の話を耳から聞いて「なるほど」や、本を読んで「なるほど」などが当てはなります。つまり「インプット」による気づきですね。
実は、この『外発的気づき』は、気づきのレベルが低いと言われています。レベルが低いとどうなるかというと「すぐ忘れてしまう」そうです。
なので、現場で実施してみようと思っても「すぐ忘れてしまう」ので実施できないという事が起こってしまっているそうです。
では、「『外発的気づき』は、ダメなのか」というと、心理学では「ダメ」とは言っていません。『きっかけにはなる』と言われています。そこで、『きっかけ』から定着に向けて必要な『気づき』が『内発的気づき』となります。
『内発的気づき』とは、自身の内からの『気づき』となります。
つまり、アウトプットすることで感じる気づきですね。
内発的気づきで得たことを、きっかけとして、実践してみることで、「頭では理解できていたけどうまくできない」や「やってみたらうまくできた」など、自身の体験に紐づいた気づきとなり気づきのレベルは深いと言われています。
つまり、研修の際も、講師が一方的に伝えるだけでは「外発的気づき」になってしまいますので、研修の中で受講者がワークを通じてアウトプットをする構成が定着化への近道となります。
▼研修後の計画
しかし、研修で「外発的気づき」を与えたからといって、定着するほど簡単なことではありません。
そこで重要になって来ることが、現場での行動計画とOJTです。
行動計画を作成する際のポイント
・行動目標が漠然としていないか
・行動量が目で見て分かるもの(数字)となっているか
・研修で学んだ内容が盛り込まれているか
・日々確認できる内容になっているか
がポイントになります。
行動計画シートサンプル
そして、その行動計画をベースにOJTを実施することが次のポイントです。。
OJT担当者は、週単位でも良いので面談の場を設け、行動計画に基づいて受講者にフィードバックをすることで、受講者の継続的な取り組みと定着を促します。。その際は、できなかったことにフォーカスするのではなく、小さくても良いので是非『出来たこと』に対してフォーカスすることで、受講者も継続するモチベーションアップなるのではないでしょうか?
定着するまでは時間がかかる
では、定着までにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
正直、すぐ定着し、生産性が向上することが理想でしょうが、それは難しいというよりは無理なようです。
答えを先にお伝えすると、何か新しいことを習得(定着)するまでは、脳科学的観点からは、最低でも、3か月かかると言われています。
つまり、前述の行動計画を立てる際は、最低でも3か月間続けられる計画を立てる必要があるわけです。
よく、大きな計画(目標)を立てたものの、続かずにやめてしまう(あきらめてしまう)ケースは多々あるかと思います。
なぜかというと、その答えは、脳の特性から最低でも3か月かかるという仕組みがあるからです。
ぜひ、「費用」から「投資」に変えるためにも、研修の中で『内発的気づき』を多く取り入れ、行動計画では、無理をしない計画を立てるということを抑えてみてください。
教育は、そもそも時間がかかるものです。まずは、3か月を目標にチャレンジしてみてください。
「脳」の特性を理解した研修プログラム
エルティヴィーでは、前述のような「脳科学」を根拠づけに用いた「コミュニケーション研修」をご提供させていただいております。単なる知識のインプットではなく、「脳」の特性をしっかりと理解したうえで、「脳」の持つパフォーマンスを最大限発揮させ、コミュニケーションに活かすことで生産性の向上につながると考えています。そのための、ロールプレイング(アウトプット)をふんだんに取り入れた研修をご提供しています。
人材育成のお悩みはエルティヴィーにご相談ください。