感染対策で換気をした方がいいとわかっていても、外気温との気温差が不快だったり、光熱熱費を節約したい気持ちから外気をシャットアウトしてお過ごしの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のテーマはズバリ「部屋の空気と脳の関係」。私たちが普段何気なく吸ったり吐いたりしている室内の空気は、実は脳の働きと結びついています。換気や室温が脳に及ぼす影響についてご紹介しましょう。
脳のパフォーマンスを低下させる「低酸素習慣」
仕事の効率をアップする正常な脳の働きには、酸素が必要不可欠。部屋の空気の酸素濃度が低下すると、肺から取り入れ、血液で脳に届けられる酸素の量も減ってしまいます。
脳のパフォーマンスを著しく損ねる酸素不足については、チベット大学の研究で明らかになっています。
脳の基本的な処理能力(ワーキングメモリ)を評価する試験を酸素の薄い高地で3年暮らしていたグループと低地で暮らしていたグループに行ったところ、高地グループの成績が低いという結果が明らかになりました。(※1) つまり、換気を怠り、酸素が薄い状態で仕事を続けると、脳の機能を損なってしまう可能性があるのです。
また、酸素不足は、処理能力の低下だけでなく「意思決定能力」の低下も引き起こします。人は1日に最大で35,000回の決断を下している(※2)そうですから、低酸素が仕事に与える影響は無視できません。
もし、定期的な換気をするのが難しい教室やオフィスで過ごさなければならないとしたらどうすればいいのでしょうか? 「自由席なら窓の近くを選ぶ」「休憩時間は室内に留まらず、外の空気を吸う」こんなちょっとした心がけや意識を持つことによって、低酸素による脳の機能ダウンを軽く抑えることができます。
(※1)2019年3月20日 チベット大学 『Brain and Behavior』
(※2)Barbara J. Sahakian,Jamie Nicole Labuzetta 『Bad Moves: How Decision Making Goes Wrong, and the Ethics of Smart Drugs』
寒すぎ・暑すぎも脳の働きを下げる
換気と暖房、両方大事!
換気も大切ですが、窓を開け放ったままにして寒さ暑さをやせ我慢するのはどうも危険なことのようです。 しっかりと換気を行った上で18~25度を保つように心がけるのが、脳や身体にとってベストな環境だと言えそうですね。
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