用事があって席を立ったのに、何をしようとしていたか忘れてしまう。こんな経験はありませんか?
もしそうだとして、自分は記憶力が悪いんだと落ち込んでいるのであれば、それは杞憂です。 何故なら、これは人の短期的に覚える力…「ワーキングメモリ」の容量の少なさが原因で発生する問題のひとつだからです。
その人の記憶力の優劣とは関係なく、コンディションが悪ければワーキングメモリの働きは低下するため、こういった突発的なド忘れは誰にでも起こりえます。 今回はそんな突発的なド忘れに対する「もし思い出せなくなった時のための」予防策を紹介していきましょう。
焦れば焦る程どつぼにハマってしまう
大事なプレゼンの途中、つい次に話すことが頭から抜け落ちてしまう…そんな時、心に焦りが沸き、必死に思い出そうとするのが自然な反応でしょう。
しかし、それではむしろ逆効果。思い出せないどころか、その場を凌ぐ別の方策を考えることもできません。 「覚えたはずなのに思い出せない!」そういった経験は誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。
何故そういう事態が起きてしまうのか、それは「記憶」というのは「覚える力」だけではなく、それを「思い出す力」があって初めて成立しているからです。
例えば、大事なことをメモに記録しておいたとしても、それがメモの何ページの何処に書いてあるかさっぱり分からなければ…咄嗟に内容を確認できませんよね? 「焦る」というのは、ページをぱらぱらと捲って流し読みをしながら何処に書いたか探しているようなものです。 忘れてしまった時は、大きく深呼吸をしてまずは焦りを鎮めましょう。落ち着いてページを捲って確認していけば、思い出す確率も高くなり、またその場をどうやって凌ぐかを考える余裕も生まれてくるでしょう。
記憶にあらかじめフックを仕込んでおく
ただ、忘れた時に深呼吸をして気持ちを落ち着ける…というのは対処療法に過ぎません。根本的に忘れることの予防をするのであれば、覚える時点で「思い出すためのフック」を記憶に仕込んでおくのがより確実だと言えるでしょう。
この「フック」とは一体何を指すのかというと、ズバリ…脳内に浮かべやすいイメージのことです。例えば、1582年は本能寺の変ですが…1582という数字を記憶したところで、それを思い出す時にイメージが浮かびません。 有名な語呂合わせですが、1582(いちごぱんつ)で本能寺という語呂をご存知でしょうか?下らないですがユーモラスで、とてもイメージが沸きやすいと言えるでしょう。1582という年号を思い出す時、脳内にはぱっと苺柄のパンツが思い浮かびます。 歴史の年号の語呂合わせなどは、この記憶の「フック」の際たるものです。 これを会社の知り合いの名前を覚えるのに用いるのであれば、顔と同時に容姿や、趣味や、本人との思い出でも構いません。思い出す時に脳裏に浮かびそうなイメージと紐づけをしましょう。……なんなら、勝手に頭の中で変なあだ名を付けてしまってもいいかもしれません。それが思い出す時の「フック」として機能すれば、ド忘れをしそうになっても思い出すことができるでしょう。
鮮明で具体的なフックを作ることができると、物忘れ防止だけではなくこのようなこともできてしまうのです!
エルティヴィーでは脳の取扱説明書(トリセツ)を取り入れた研修をご提供しています。記憶の仕方だけではなく、なぜ相手は「NO」というのか?なぜ「共感」が重要だといわれるのか?なぜ「継続」できないのか?なぜ人は「悩む」のか?など対処法ではなくヒトの機能的側面から根本的な解決へのアプローチ方法をお伝えしています。
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