新しい音楽、新しい娯楽、新しいガジェット…多くの人は新しいものが大好きです。見慣れた景色でも、初めてそこを歩いた時は新鮮に受け止めていたはず。いつだって「新しさ」は人の心をくすぐるものです。 そもそも人の脳は「新しさ」に惹かれるように作られているのをご存知ですか?このクセを上手く利用して生産性をアップさせましょう!
「新しい」に出会った時、脳に起きるコト
まず、人の脳には黒質/腹側被蓋野(SN/VTA)と呼ばれる領域があります。新しい刺激は基本的にこの部位で処理され、学習や記憶において最重要パーツのひとつである「海馬」や「扁桃体」を震わせます。
新しい刺激がSN/VTAを強く震わせ、そのSN/VTAが海馬や扁桃体を震わせるという連鎖作用により、学習や記憶の能力を活性化させることができます。つまり、新しい刺激を脳に与える=記憶力アップという図式が成り立つのです。
「絶対的に」新しいことを探そう
これまでの定説は、新しいことに遭遇する=脳が活性化するとされてきました。
しかし、Nico Bunzeck氏とEmrah Duzel氏の二名の研究者による「オドボール課題」と呼ばれる実験により、ただ目新しいだけでは不十分なことが証明されました。
実験の内容は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、被験者に見慣れた画像(人の顔や屋外の写真)の中に、例外となる仲間外れの画像(オドボール)を紛れ込ませて見せていき、SN/VTAがどのように反応するか観察するというものです。
その結果、SN/VTAは相対的な新しさには反応せず、絶対的な新しさのみに反応したのです。
「相対的、絶対的」とはどのような意味なのでしょうか。
詳しく解説します。 「相対的」な新しさとは、見慣れた画像に紛れ込んだ、分類的に仲間外れの画像のことです。一方で「絶対的」な新しさは、一度も目にしたことのない画像を指します。 絶対的な新しさ=全くの未知ということです。
例えば、人の顔を連続で見せられている途中に、いきなり果物の写真を見せられたとしましょう。果物は仲間外れですからオドボールとなりますが、SN/VTAは反応しません。 一方、見慣れた景色の写真を連続で見せられている最中に、全く見たことのない光景を見せられた場合はどうでしょうか。SN/VTAは強く反応したのです!
「新しい」が意欲を高める仕組み
人や動物が新しいことに遭遇した時、脳内ではドーパミンが分泌されます。 このドーパミンは、「報酬物質」や「報酬系」と表現されていますが、ドーパミンが出ること自体が報酬ではなく、報酬を得るための意欲を高めるものです。
例えば野生動物は、新しい状況に置かれるとドーパミンの血中濃度が高くなるという研究の結果が出ています。これは新しい状況に対し、どうやって餌や水などの「報酬」を得るか思考または行動するためです。
私たち人間も同じです。新しいことに遭遇し、ドーパミン濃度が上がることによって、課題解決に向けてより行動的になれるのです。
社員の生産性向上の鍵は「マンネリ」をいかに無くすか?かもしれません。
日々の業務に刺激を与えるため、社内起業制度など制度面の整備や、フリーアドレスにして場所を変える、OFF-JTの実施で業務から離れるなどの刺激を与えることで生産性を向上させることができるのではないでしょうか。
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