前回の記事はこちら> 前編・中編と2回にわたって、やり抜く力を高めるには実は記憶力をアップさせることが必要、というお話をしています。 記憶と大きく関係する脳内の4つの組織、前回は「海馬」と「扁桃体」についてご説明しました。「海馬」はさしずめ「情報部記憶課の課長」、「扁桃体」は「情報部の部長」ですが、今回は3人目、4人目についてお話します。
「淡蒼球」はやる気スイッチ
記憶力に関係する3人目のキーパーソンは「淡蒼球」です。淡蒼球はいうなれば「やる気スイッチ」。そうです。「やる気スイッチ」は実在したのです! 淡蒼球はいつも活動していますが、そのレベルは上がったり下がったりします。淡蒼球の活動のレベルによって、モチベーションも上がったり下がったりするのです。 厄介なのは、そのスイッチを自分では入れられないこと。自分ではスイッチを入れられない…いうなれば情報部記憶課の「新入社員」といった感じでしょうか。 「淡蒼球」のスイッチをオンにするには2つ方法があります。 ①扁桃体部長がプルプル震える ②まず動く やっかいなことに、淡蒼球はじっとしている状態では、部長の命令があってもスイッチがオンになりません。動いている状態からしかスイッチが入らないのです。ですから、やる気を出すためにはまず行動を始めること、一歩を踏み出すことが大切なのです。
「ブレーキ役」の「側坐核」
4人目のキーパーソンは「側坐核」です。前脳に存在する側坐核が活発に活動すると、人は眠気を感じます。睡眠や休憩も必要ですので、大切な役割を果たす側坐核ですが、やり抜くためには活躍しすぎないでほしいキーパーソンです。 なぜなら、「やめときなよ」とか「無理しちゃだめだよ」とブレーキをかけてくるのが側坐核なのです。では「側坐核」を活躍させないためにはどうしたらよいのでしょうか? 「側坐核」が活発になるのは、「扁桃体部長」が不在の時。つまり、感情が揺さぶられるような出来事が無い時です。驚いたり、悲しんだり、喜んだり、怒ったり、扁桃体が震えるような感情の大きな動きがあると、側坐核は活躍できません。 考えてみれば、とっても感動する面白い映画は眠くなりませんよね?または、嫌なことがあって、ぷんぷん怒っていると眠れなくなります。 つまり「やり抜く」ためには、扁桃体をいつもプルプル震わせる。感動体質になるよう心掛けることが大切なのです。 3回にわたって、目標を達成するには記憶力が大切なこと、また記憶するため、やり抜くための脳内の仕組みについてお話させていただきました。
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