私達の生活に欠かせず、今や常に手元にあって当たり前なスマートフォン。とても便利なスマホですが、使いすぎは脳や記憶力に悪影響を及ぼすと言われています。今回はスマホの使いすぎがもたらす「
脳過労」とそのリスク、対策法についてご紹介します。
スマホで酷使される脳
人間の脳は、本来ひとつのことを進める方が得意。平行して複数の事柄を扱ういわゆる「マルチタスク」は負担になります。ずっとその状態が続くと、脳にはストレスがたまっていくのです。
スマホが普及した今、電車などの些細な移動時間でも調べものや、隙間時間でのメールやSNSのチェックをする方が多いことでしょう。「目的地へ向かう移動・商談や企画などの業務」などといったタスクと平行して「スマホ」を使うマルチタスクが当たり前となり、スマホの中でも複数のアプリを立ち上げるなどさらに複雑な平行作業が行われるようになりました。
その結果、本来苦手なマルチタスクを課されつづけた脳は疲れきってしまい、「脳疲労」と言われる状態に。そうなると、健康な状態と比較して脳に流れる血流が大幅に減少…機能低下はもちろん脳そのものにダメージを及ぼしさまざまな悪影響を引き起こします。
物忘れが増えるほか、情緒が不安定に
従来、物忘れ外来に訪れる人のほとんどが記憶力の衰えた高齢者だったのに対し、近年は30代から50代のまだ働き盛りの患者が増えているそうです。その原因の一つが「スマートフォンの使いすぎ」だと言われています。
スマートフォンと言えば学生や20代のツールだと思われがちですが、50代以上でも若い世代との話題作りや、仕事に役立つ情報のチェック、アプリの利用など人によっては手放せないツールになっています。
スマートフォンの使いすぎで過度に脳を酷使した結果、思いがけない異変が引き起こされるケースがあるそうです。
・部下の名前がふと思い出せなくなる
・人のミスに対して感情的になってしまう
・何をしても心に響かない
一見スマホの使いすぎとは関係のなさそうな変化が、本人の自覚なしに起きることがあるのです。
情報で脳がオーバーフローしてしまう
「本当にスマホの使いすぎが原因なの?」とも思いますが、実際にMRIの検査結果で脳の血流が悪くなることが確認されています。
「脳過労」と表現してきた現象をわかりやすく言えば、
スマホによる情報過多、つまり脳のオーバーフローだと言えます。スマホからの情報が頭の中に氾濫した結果、外から新しい情報を取り込むための「感受性の欠如」、「情報処理能力の低下」が引き起こされるのです。
現代の生活において、スマートフォンを完全に手放すということは困難です。スマホは上手く活用すれば非常に便利かつ、人生や仕事をより豊かにしてくれるものだというのも間違いありません。結局のところ、スマホに囚われることなく、意識的に、主体的に使いこなすことが重要なのではないでしょうか。
デジタル機器に一切触れない時間を作る「デジタルデトックス」という言葉もあります。スマホに依存していないか、使いすぎではないかを振り返ってみる意味でも仕事がオフの時間、週末の1日など、一度スマホから離れる生活を試してみてはいかがでしょう。
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